2025.11.10 17:38
積読を解消しつつあること
ハロウィンはうさぎでした?
こんにちは
だいぶ間が空いてしまいましたが、気がついたらもう秋ですね?ここ最近は積読していた本を読み漁ったり、映画を見たり、動物園に行ったり、編み物をしたり、さつまいもと栗をたくさん食べたりと秋を満喫していました?
何をするにもちょうど良い、このぐらいの気候がずっと続けばなあと思います…無理な願いですね( ; ; )
本日24:00まで出勤しているのと、明日13:00〜23:00で出勤しますお時間があればぜひ^^
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今回は開高健「輝ける闇」です
作者が新聞社の臨時記者として、南ベトナムの米軍に従軍した経験をもとに書かれた小説ですノンフィクションのようですが、創作も織り混ざったフィクションとのことです
現地での暮らしやホーチミンの人々との交流、壮絶な従軍体験が描かれてゆくのですが、当時のベトナムという国や戦場から湧き立つ"匂い"みたいなものが感じられました雰囲気よりももっと生々しい何かです
しかし文章は結構難解で、抽象的な表現が続いたりして部分的に読むと「?」となる箇所が多いのです
そういう分かりにくさは、「戦争」という現実での出来事よりも、どちらかと言えば主人公である「私」が生と死に向き合うことで起こる精神の動きにフォーカスされていることが原因かなと思います
それはノンフィクションでも良さそうなところを敢えてフィクションとしたこととも関係がありそうです…例え自分のことであっても、形を持たない感情だとか心の動きを寸分の狂いもなく正確に文章に落とし込むことは出来ません何らかの脚色が含まれてしまうからこそ、いっそフィクションとして限界まで自らの精神性に迫った私小説であるのでしょうそういう文章を通して見る戦場は、写真なんかよりももっと"自分のこと"として感じられました「私」は第三者として戦争を傍観し続ける自らのことを嘲って「視カン者」と言うのですが、この本を読むことで読者もまた視カン者になり、苦しみを覚えることを避けられませんが…
ジャーナリストでもない作者が、なぜベトナムに行き、熱帯のジャングルで戦闘に混じったのか、不可解に思います彼を動かしたのがフロイトの言う「死への欲動」だとすれば、戦争という過ちが繰り返されるのもまた人間に宿る制御不能な欲動のせいなのでしょうかヒトというのは複雑で、業を背負った生き物だなあと改めて思いました( ´?`)